PDCAとはPlan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Act(改善)の4つのサイクルを繰り返すという、物事の改善の為の手法です。PDCAが生まれたのは第二次世界大戦後の1940~1950年代です。
第二次世界大戦後にアメリカの統計学者であるエドワーズ・デミングが統計的品質管理に関する講演を日本で行いました。 この講演を聞いた日本人がPDCAを提唱したとされています。今ではビジネスの基本の考え方とされていますが、もともとは品質管理に関して生まれた用語でした。
PDCAではPlanでゴールまでの計画を一通り立てて実行します。その後、評価をしていく訳ですが、今の世の中では環境変化が激しく将来の予測を立てるということが難しくなっています。業界によって変化の速度は異なると思いますが、特にIT業界は変化が激しいです。どの業界もITを取り入れることでアップデートしていくことが有用であるため、いずれにせよ目まぐるしく変わる環境の変化に即座に対応する必要があります。
この点、PDCAではスパイラルアップのスピードが遅くなります。時間をかけて計画を立ててから実行するという感覚ではすでに遅いという事です。
そんな時代にマッチするのがPDRです。私も企業様の事業計画を作成して予実管理を行うサービスを行っていますが、計画通り進めるには絶え間ない修正が必要となっています。実際には想定しえない出来事が沢山発生する訳ですから、計画の修正が意味のある重要な作業となります。修正が必要だからといって、自社の分析をしたり、計画を立てることそのものに意味がないあけではありません。 環境変化が激しく将来予測が難しいからこそ、早く、簡単に仮説検証を繰り返すことが必要ということです。
そんな中でPDRサイクルという手法がハーバードビジネススクールのリンダ・ヒルにより提唱されました。
PはPrepで準備を表します。準備段階のことで、これから何をしようとしているのか、その理由や目的を考えます。
DはDoで実行です。準備をしたら実行してみようという事です。
RはReviewで評価です。実行した結果、何が分かったかを考えるという事です。
PDRではこの3段階で短くPDRを回していくという考え方です。
PはPlanではなく、Preparationとし、準備したら綿密な計画立案には時間をかけずに、即実行しようということなのだと思います。
PDRだとPDCAより早いスパンで回るので変化の激しい時代だからこそマッチする考え方といえます。
PDRは細かく繰り返して回す程、上手くいきます。その方が、小さなトラブルや変化にすぐに対応できるのがメリットです。
PDCAは綿密に計画を立てることに重きを置く半面、PDRは計画よりやってみることに重きが置かれている手法となります。従って大きなプロジェクトの予備調査とか、小さな仕事でもあたりをつけるとか、早く方向づけするような事象に向いているのがPDRということになります。決してPDCAに置き換えていくという手法ではないのです。
皆さんに置かれましてもPDRの考え方をどこかに取り入れてみてはいかがでしょうか。