値上げ交渉

 今年の春も人件費が上がる企業様も多いと思います。それだけ人手不足が厳しく、長期にわたって続きます。食料品を中心にインフレが続いており、従業員の生活費が上昇しています。

 諸費用の上昇に対して、貴社の利益率はどうなっていますか?様々な原価低減活動にも拘わらず利益率が下がっていれば、原材料費、エネルギー費、人件費等の高騰に対する顧客への価格転嫁を検討しなくてはなりません

 ここではその一般的な手順を述べます。

 まず、高騰要素の原価への影響分析を行い、販売価格の上昇分を把握します。そして製品毎の販売価格を設定します。原価を元に、販売利益に応じた提示価格を複数用意した上で落し所を決めておきます。

 次に値上げ交渉での客先に対するシナリオをたてます。 なぜ値上げしなければならないか、値上げを最小に留める為にとった施策、他社動向等強い説得力を伴った説明をどう呈示するか方針を定めます。

 次に定めた方針に対する数値を伴う資料を作成します。あくまでも数値化しグラフ化した資料が良いでしょう。

 最後に 相手からの想定質問を作成し、回答を用意します。

よくあるのが値上げ時期を遅らせて欲しい、購買数量を増加するから価格を抑えてほしい、等です。

 これらの説明は特定の販売先のある場合ですが、一般不特定多数の顧客を対象とした商品販売の場合の対応は上記方法とは異なるものです。対面での説明は実質無理なので、商品とセットでの文書での説明が必要となります。具体的には、POPや商品そのものに説得力の高い簡潔な説明文を付けることが親切な対応です。尤も多くの市販製品はそのような対応をとることなく、一方的な値上げが実施されているのはご存じの通りです。

 最も効果的なキャッチコピーをケースバイケースで一生懸命に考えましょう。